■ 浮島池


a0115014_3535781.jpg 磯鶏(そけい)の神林(かんばやし)――
 宮古警察署のはす向かい、国道の北寄りに、細い路地がある。
 そこを西へ入る。
 すると、かたわらに丹塗りのほこらがたっている。
 小さいほこらは、生垣にかこまれて、通りからは目だたない。
 名まえを浮島神社という。
 浮島神社には、こんな伝説がある。

 あたりに大きな池があった。
 池の真んなかに小島があって浮島と呼ばれた。
 それがそのまま池の名となり、あたりの通称にもなった。
 池のほとりに、大きな柳の木が生えていた。
 この柳の木には霊が宿っていた。
 柳の霊は、夕まぐれになると、かたわらを通る人にいたずらをする。
 困った地主は、祟りを怖れながらも、根もとから引っこぬいてしまった。
 そうして、その柳の木で、浮島に小さなほこらをたてて霊をまつった。
 池は、のちに埋めたてられて宅地になった。
 浮島のほこらは近所に移された。
 それが浮島神社だ。

 いろいろなかたちで、この話は伝わっている。
 海猫屋さんは、20年以上もまえに宮古の伝説の本を読んだ。
 神林の大きな池の話が載っていた。
 池には赤い牛のような主がいた。
 通る人を引きずりこむので恐れられた。
 池は、津波で埋まってしまった。
 同じ池の別の伝承も本に載っていた。
 そちらでは、池にいたのは赤い牛のような化けものではなかった。
 河童になっていた。

 磯鶏に住んでいるある人は、こんなふうに話す。
 神林のふもとの大きな池は、昭和40年代の初めごろまであった。
 柳の木でつくったのは、ほこらではない。
 何枚かのお面だった。
 そのお面をほこらに納めて霊をなぐさめた。
 ところが、柳の霊は、その後もときどきあらわれる。
 あらわれてはいたずらをする。
 そんな噂もある。

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by miyako_monogatari | 2009-02-07 19:58
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