■ 狐の名所


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 稲荷神社のある金浜や、そのとなりの高浜へ行く峠のあたりは、むかしから狐の名所として知られていた。
 名所というのも妙だけれど、よく狐が出没する場所だった。
 町のそばにもいた。
 沢田の判官稲荷は街道筋をはさんで常安寺ととなりあっている。
 判官というのは源義経のことだ。
 義経が埋めた鎧や兜の上にお堂を建てたといわれる。
 通称ハンガンさま。
 ホウガンさまと呼ぶ人もいる。
 ここには御室(おむろ)という穴がある。
 むかし、この穴に白狐が住んでいた。
 あぶらげや魚を供えた。
 その食べ方しだいで豊漁・不漁、豊作・不作などを占っていた。
 常安寺とのあいだの坂は、むかしの浜街道だ。
 この寺ヶ沢にも狐が多かった。
 小沢(こざわ)のビンダ沢もそう。
 千徳に向かう舘合から長根寺あたりもそうだった。
 横山の八幡さまからノデ山のあたりにもいた。
 ダラスコデーホー、コンコンコン
 ダラスコデーホー、コンコンコン
 杉の木の上でフクロウが鳴く。
 その声にまじって狐の鳴き声も聞こえた。
 もしも狐に出会ったら、さてどうするか。
 大声でこう叫ぶ。
 「ナモミだぁー」
 そうすれば退散してしまう。
 ナモミは、秋田のナマハゲと同じだ。
 むかしは怖いものだった。
 とにかく自然が豊かだから、狐もいたるところに出没した。
 狐ばかりではない。
 狸もいればカモシカや熊も出る。
 河童や天狗だっている。

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by miyako_monogatari | 2009-02-07 08:17
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