■ 狐のミイラ


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 十数年前だから、つい最近の話だ。
 狐のミイラが発見されたというので評判になった。
 場所は金浜の稲荷神社。
 宝くじの話題もからんだそのときの話は、こういうものだった。

 本殿の改修工事のときだ。
 床下を、初めは小さなユンボで掘り返そうとした。
 ところが、どうしても人手でなければ掘れないところがあった。
 そこに狐のミイラは埋まっていた。
 ミイラは二体。
 仲よく寄りそい、夫婦のように見えた。
 神主は言った。
 「こりゃあ、お稲荷さまのお使いの、白狐だあべな」
 氏子が社(やしろ)を建て、桐の箱におさめてまつった。
 お稲荷さまの使いの白狐を命婦(みょうぶ)という。
 それで、社は命婦社と名づけられた。
 ミイラも命婦さまと呼ばれている。
 このころから、
 「宮古は宝くじが、よぐ当だんがえ」
 と言われだした。
 「材木会社の社長さんや、瀬戸物屋のあるじさ一等が当だった。
 その人がどうがお参りしてんのが、金浜の稲荷神社だあど」
 そんな噂が流れた――

 稲荷神社は商売繁盛の神さま。
 そのうえ金浜という語呂がよかった。
 新聞や週刊誌の記事にもなった。
 「まあしかし、どうも狐につままれたような話だあな」
 と言う人もいる。
 狐のミイラはほんものだろう。
 宝くじの件は?
 「これは、さあ、どうだあべえ……」


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by miyako_monogatari | 2009-02-06 19:42
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