■ ひなりっこ


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 きれいなベベ着て、おしろいや紅をつけたがるのが、ひなりっこ。
 横町(よこまち)のひなりっこが、端午の節句に使いに出された。
 山口の親類へ、つけとどけの赤魚を竹かごにさげて。
 着かざって出かけたから、すっぱねが気になる。
 なにしろ道は田んぼのなかの山口街道だ。
 そのまんなかまできた。
 畦(あぜ)に赤魚の入ったかごを置く。
 するするっと帯をといて着物を脱いだ。
 それから、ズギ溜めにどっぷりつかり、
 「あぁ、ええ湯っこだあごどぉ~!」
 ええ気持ちになってたとこさ出てきたのが小沢(こざわ)の狐。
 かごから赤魚をくわえると、畦道を、ゆっくり去っていった。


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by miyako_monogatari | 2009-02-06 16:44
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